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ニュートリノとは,宇宙の観測に役立つ素粒子で,速度は光速を超えない

素粒子論 物理学 わかりやすく解説 天文学

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弱い相互作用の研究に役立ち,天体物理学にも貢献している素粒子,それがニュートリノ。


下記では,このニュートリノについての基本的なトピックスをまとめる。

  • ニュートリノとは何か。どういう性質を持っているか。
  • ニュートリノを観測すると,何に役立つか。
  • ニュートリノについて,どんなニュースが最近あったか。

など。

ニュートリノの性質を詳しくリストアップ

性質のまとめ:

  • 反応しにくい:
    • ニュートリノは,他の物質と反応しにくい。
    • つまり観測しにくい。例えば,電荷を持たないので電気的な観測ができない。電気に反応しないという事は,光で見ることもできない。
    • 質量が小さいので,重力でも観測しづらい。
    • しかし「弱い相互作用」には反応する。そのため,「弱い相互作用」の仕組みを調べるために,ニュートリノが役立つ。
    • また,反応しにくいので,何億光年も遠くまで,さえぎられずに届く。
  • 特殊な観測に役立つ:
    • ニュートリノは,他の手段では観測しづらいものを観測するのにも役立つ。遠い星の様子など。
    • その有名な観測装置がスーパーカミオカンデ。
    • ニュートリノの観測によって遠い星の様子を調べるのがニュートリノ天体物理学。
  • その他の性質:
    • 物質と反物質について調べるためにも役立つ。
    • 量:多い。
    • 速度:光速を超えない。
    • 発生:恒星の核融合や核分裂によって生じる素粒子。
    • 変化:飛んでいると別のニュートリノに変化する。これをニュートリノ振動という。
    • 研究:1990年代になってから解明が進んだ。

そのユニークな特徴として,
ニュートリノの概要を知るためのページ:

「特集 素粒子入門 ニュートリノで何がわかるの?」 理科の探検 科学技術 全て伝えます サイエンスポータル / SciencePortal
http://scienceportal.jp/contents/guid...

  • 素粒子としてのニュートリノの特徴は,電荷を持たないこと、弱い相互作用しかしないことと、非常に質量が小さいこと(ゼロではない)
  • 人間のまわりには,太陽から飛来した莫大な数のニュートリノが飛び回っている。宇宙の中で、ニュートリノは光子(光の粒子)に次いで2番目に数の多い粒子
  • 極端に他の物質と反応しにくい、という性質がある。物質を作る素粒子の中で、ニュートリノだけは電気をおびておらず、「弱い相互作用」でしか反応することができない。なので他の物質と反応する確率が非常に低い
    • この「弱い相互作用」と呼ばれる種類の力は、素粒子の種類を変化させる作用を引き起こす。反応の確率は他の種類の力に比べ桁違いに小さい。だから,弱い相互作用自身の仕組みの研究にニュートリノが役立つ。
    • 他の物質と反応しない、という性質を逆に利用して、他の手段では見ることのできないものを研究・観測することが可能になる。太陽の内部の様子,超新星爆発の内部の様子,地球内部の構造,原子炉の稼働状況のモニターなど。
    • ニュートリノは電荷を持たないので,粒子と反粒子が実は同じ粒子である可能性について考察を深めることができ、これが宇宙から反物質だけが消えてしまった原因を解明するヒントになるかもしれない。そういう面でもニュートリノは役立つ
  • ニュートリノの検出装置で最も有名なものは、東京大学宇宙線研究所の「スーパーカミオカンデ」。
    • 電気で検出できないので,他の粒子との相互作用を使って検出
    • この観測施設で、飛んでいくうちに自然と種類が変わってしまう「ニュートリノ振動」と呼ばれる現象を発見


ニュートリノとは (ニュートリノとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
http://dic.nicovideo.jp/a/%E3%83%8B%E...

  • 中性の素粒子。速度は光と同程度。
  • ニュートリノの質量が「ゼロではない」と確認されたのは、20世紀末になってから
  • ニュートリノは物質とほとんど干渉しないので,何億光年先からでも、ほとんどさえぎられることなく地球まで届く。そのニュートリノの観測によって、宇宙の姿がより鮮明に映し出せる。これをニュートリノ天体物理学という


ニュートリノとは? « KamLAND
http://www.awa.tohoku.ac.jp/kamland/?...

  • 素粒子は,陽子や中性子を構成するクオークと、電子の仲間であるレプトンに分類され、どちらも6種類ある。後者のレプトンの中で3種類は電荷がなく、それがニュートリノ
  • ニュートリノ研究が目覚しく発展したのは1990年代になってから
  • ニュートリノはβ崩壊や、核融合・核分裂反応に伴って発生する素粒子の一種


ニュートリノ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8...

  • もともとはパウリが中性子のβ崩壊でエネルギー保存則と角運動量保存則が成り立つように、その存在仮説を提唱。そののちフェルミβ崩壊の研究を進め,ニュートリノという名称を付与
  • 弱い相互作用と重力相互作用でしか反応しない。とはいえ質量が非常に小さいため、重力相互作用もほとんど反応しない。電磁相互作用が無いという事は,光学的にも観測できない(=見えない)。他の粒子に比べて研究の進みが遅かったのは,観測しづらかったから。
  • 質量が小さすぎるので,暗黒物質ではない。

間違ったニュース報道

ニュートリノの速度が光速を超えたと誤ってニュース報道された件について:

「アインシュタインは正しかった」、ニュートリノ「超光速」は誤り CERN 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
http://www.afpbb.com/articles/-/2882839

  • ニュートリノに関する国際共同実験「OPERA(オペラ)」の科学者チームは2012年に、素粒子ニュートリノは光より高速とした前年2011年の発表は誤りだったと認めた。観測誤差。


ニュートリノの速度は光の速度より速い、相対性理論と矛盾 CERN 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
http://www.afpbb.com/articles/-/2830135

  • 発表時の結果の扱いには慎重で、世界中の物理学者らに精査してもらおうと、ウェブサイト上に全データを公開していた
  • ニュートリノは、太陽などの恒星が核融合を起こす時の副産物
  • 大量に存在しているが検出は難しいことから「幽霊素粒子」とも呼ばれる
  • この時点から測定誤差の可能性が指摘されていた


光速を超える物質があるとタイムマシンはできるのか? - Linkclub Newsletter(リンククラブ・ニューズレター)
http://news.linkclub.jp/lcnewsletter/...

  • GPSで測定できるのは地表であって、研究室は地下1400mくらいにある。それに,時間を合わせるために原子時計を使っているが,地下に潜るほど一般相対性効果で(重力の影響で)進みが遅くなり,この補正も微妙。こういう誤差要因があったのではないかと

「ニュートリノ振動」の発見

「ニュートリノ振動」の発見により,「太陽ニュートリノ問題」が解決した件について:

ニュートリノ振動で宇宙がわかるわけ | 科学コミュニケーターブログ
http://blog.miraikan.jst.go.jp/topics...

  • 測れないくらい小さくて軽いので、なんでもするするとすり抜けてしまい,放射線のように人体の害にもならない
  • ニュートリノについて「CP対称性の破れ」の研究を進めれば,物質・反物質の理解が深まる
  • ニュートリノ振動=ニュートリノが「型」を変えること


30年来の難問、「太陽ニュートリノ問題」ついに解決!
http://www.d1.dion.ne.jp/~ueharas/sei...

  • 太陽の核融合によりエネルギー放射が起きるが,その中に含まれているニュートリノを測定したら,推定のおよそ3分の1しかなかった
  • 太陽ニュートリノの観測装置はおもに電子ニュートリノに感度があったが,電子ニュートリノが他の2種類のニュートリノ(ミューニュートリノとタウニュートリノ)のいずれかに変化するので、観測ではニュートリノが減ったように見えてしまう
  • カミオカンデでは,地球の大気で作られたニュートリノの数が、上からやってくる分量(日本上空でつくられたニュートリノ)と下からやってくる分量(地球の反対側の南米上空でつくられたニュートリノ)で違うことがわかったため,まずニュートリノ振動の存在が実証された
  • そして21世紀になってから,「ニュートリノ振動」をしたあとのニュートリノもあわせて観測することによって、太陽からやってくる3種類のニュートリノの総量を測定し、3種類のニュートリノの総量は、太陽から放出される全エネルギーから推定されたものとちょうど一致していた。こうして太陽ニュートリノ問題は解決

反ニュートリノ

反ニュートリノは,地球の内部を調べるのに役立つ:

反ニュートリノで判明、地球は今も冷え続けている?
http://www.astroarts.co.jp/news/2011/...

  • 反ニュートリノ観測装置「カムランド」を用いて、地球の内部で発生している原子核崩壊により飛来する反ニュートリノを測定することに成功
  • この結果、地表で観測される地熱のおよそ半分だけが放射性物質によるものであり、残りは地球形成時の熱が残っている可能性が示された
  • 放射性物質が崩壊する際に発生する「反電子ニュートリノ」を利用することで、地球内部に存在する放射性物質からの熱量の推定に成功

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