「ヒルベルトの基底定理」は,不変式論の神学的なほど抽象的なすごい定理
数学者ヒルベルトが証明した1つの定理について,さまざまな言い換え方法がある。
- 「多項式」という語を使って述べた場合:
- 「多項式環の任意のイデアルは有限生成である。」
- 「多項式環のイデアルを、連立方程式のかわりに使ってもよい。」
- 「ネーター環上の有限個の元で生成された環は,ネーター環である。」
- 「有限群の不変式環は有限生成」
- 「任意個の変数の任意次数の形式はすべて有限基底をもつ。」
どれもみな,一つの同じ事を表現している。
これを,「ヒルベルトの基底定理」または「多項式イデアルに関する基底定理」などと呼ぶ。
定理の概要
10PM : Hilbert(ヒルベルト)の基底定理
http://blog.livedoor.jp/tetsu1000per/...
- Hilbert(ヒルベルト)の基底定理: Noether(ネータ)環の上で有限個の元で生成された環は、Noether環である。
グレブナー基底
http://www004.upp.so-net.ne.jp/s_honm...
- 「多項式環の任意のイデアルが有限生成」という事実は、Hilbert の基底定理と言われている。
David Hilbert
http://invata-mate.info/japoneza/hist...
- ヒルベルトの最初の仕事は不変理論とされ、1888年に、彼は彼の有名な基底定理を証明した。
- 20年以前のゴルダンバイナリ形式の高い計算方法を使用するための有限基底定理を証明
数学的な説明:
代数幾何の雑な解説 つれづれなるままに数学する タクミのロボットブログ/ウェブリブログ
http://takurobo.at.webry.info/201401/...
- 「多項式環のイデアルを、連立方程式のかわりに使う」というのをやって良いことを保障するのが、Hilbertの基底定理 k[x1,...,xn]の全てのイデアルJは、J=(g1,g2,...gn)となる。 ちょっと整理 ・連立方程式 ⇔ 多項式f1,f2,..fnを考える ⇔ 実はV(f1,f2,...,fn)=V(I) 結論:イデアルで考えても、幾何学ができる
有限群の不変式環の生成元を計算するアルゴリズム -
http://d.hatena.ne.jp/m-a-o/touch/201...
- アルゴリズムの流れは、大体以下の事実に依存している。どれも証明はそんなに難しくない(Hilbert級数の計算は、無駄な計算を減らすためのもので、必須ではない)
- (1)有限群の不変式環は有限生成(by Hilbert?)
証明など
ヒルベルトの基底定理
http://aozoragakuen.sakura.ne.jp/taiw...
- 定理 7 (ヒルベルトの基底定理) $K[{\bf x}]$の元 $f_1,\ f_2,\ \cdots$で生成される任意のイデアルは, $f_1,\ f_2,\ \cdots$の中の有限個の元で生成される. その証明。
この定理はもはや神学だ,と言われるほど美しくすごい定理
不変式論について
http://www.geocities.jp/ikuro_kotaro/...
- ヒルベルトは基底定理「任意個の変数の任意次数の形式はすべて有限基底をもつ」を証明した
- その抽象的かつ非構成的な証明に対し,ゴルダンは「これは数学ではない.神学だ(That is not mathematics. That is theology.)」と抗議した話は有名である.
- 不変式論の王・ゴルダンにかくいわしめるほど斬新な証明だったというわけである.
ENCOUNTER with MATHEMATICS 数学との遭遇
http://www.math.chuo-u.ac.jp/ENCwMATH...
- P. Gordanは不変式の王 と言われ,特に二元形式(binary form)の不変式の生成系の有限性を示した.
- それは構成的な方法であったが, 技術的な限界にも近づいていた.
- そのような中 D. Hilbertが 多項式イデアルに関する基底定理(1888)を以て,全く一般的に 問題を解決してしまった.
- これは「神学」と呼ばれたほどの 抽象的性格を持ち,非構成的なものである.
- この新しい視点は 現代数学の幕開けをもたらした.