地球を太陽風から守る磁場のシールドが,オーロラを起こす仕組み。地磁気がプラズマを阻み,極地で空気と衝突して発光
地球を太陽風から守る磁場のシールドが,オーロラを起こす仕組みについて。
要点を述べると,
「地磁気が太陽風を防ぐ時に,
北極と南極の近くでは磁力線が地球に吸い込まれるので,
そこで太陽風の名残と地球の空気が衝突して光る」
のがオーロラである。
太陽風について:
太陽からのプラズマの流れ:
- 太陽からは,電気を帯びた粒子(プラズマ)が常に流れ出しており,これを太陽風と呼ぶ。
- プラズマの正体は,高温のために陽子と電子が分離した状態の粒子。
- 太陽風の温度は,地球の近辺に来る時点で10万度である。これが地球に直接当たったら危険で,大変なことになる。
地磁気について:
地磁気は磁石の磁力線の形をしている:
- 地球の内部では液体状の金属が回転しており,これが電場および磁場を生む。おかげでコンパス(方位磁石)が使える。
- 太陽系では,同じような地磁気の仕組みを持った惑星は数個しかない。
- 地磁気の形は,太陽風によってゆがんだ形になる。しかし,基本的には磁石の磁力線の形をしているから,磁力線のループが太陽風へのシールドとして機能する。
地球が,巨大な磁石として磁場を生んでいる件について:
オーロラの形は地球の磁場によって決まる
http://asahi-classroom.gi.alaska.edu/...
- 地球は巨大な磁石で,S極とN極があり,物を引きつける力が一番強いのはその両極。北半球のS極はコンパスのN端を引きつけるので、針は北を指す
- 地球が回転すると、その中心部にある液体状の金属が動く。その動きによって電気が起こり、その電気によって地球に磁場が生まれる
- 太陽系内の惑星で地球以外に磁場があるのは、木星、土星、天王星、海王星
- 地球の磁場は, 太陽風(太陽から吹き出される荷電粒子の流れ)に対する見えない障害物となり、太陽風の吹き流れる方向を逸らし,そのため太陽風は地表に達することができない
- 太陽風は地球の磁場を圧縮し、その形を磁気圏と呼ばれる彗星型の空洞に変える
地磁気とオーロラ
http://www.kusa.ac.jp/~kenji-y/c21/as...
- 南極から出て北極へと向かう磁界があるために、太陽風の荷電粒子は磁場からローレンツ力を受けてその軌道を曲げられる
- 赤道よりも高緯度の地域では、運動の向きを変えられた荷電粒子の流れは、磁力線に巻きつくように向きを変えながら極地へ向かってクルクルと螺旋を描きながら進む
- 両極のもっと上空を通りぬけて、地球から見て太陽の反対側(夜側)へ回り込んでいった粒子の流れは、Uターンして戻ってきて、地球の裏側から極地に近づく。これらの粒子が大気圏に突入するときにオーロラが発生する
画像で解説しているサイト
地球が作る磁場の形と,オーロラの発生原理を画像で解説しているページ:
天空の神秘オーロラ オーロラ情報館 オーロラ出現の仕組み
http://auroranavi.com/auroranavi/siku...
- 極地まで運ばれた太陽風は、磁極に吸い込まれてく磁力線に沿いながら、円を描くように地表に近付いていき、大気中にある原子に衝突し、オーロラが発生する
- 地球にある磁場が、宇宙に飛び交う高エネルギー粒子から人間を守ると同時に、オーロラを極地へと運んでいる
オーロラ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A...
- 太陽からは「太陽風」と呼ばれるプラズマの流れが常に地球に吹きつけている
- そのために地球の磁気圏は太陽とは反対方向、つまり地球の夜側へと吹き流されて変形している
- 太陽から放出されたプラズマは地球磁場と相互作用し、地球磁気圏の夜側に広がる「プラズマシート」と呼ばれる領域を中心として溜まる
- プラズマシート中のプラズマが磁力線にそって加速し、地球大気(電離層)へ高速で降下する
- その時に,プラズマが大気中の粒子と衝突すると、大気粒子が励起状態になり、それが元の状態に戻るときに発光する。これがオーロラ
- オーロラの発光の原理は蛍光灯やネオンサインと同じ
- プラズマシートが地球の夜側に形成されるため、オーロラは基本的に夜間にのみ出現
オーロラのしくみ/オーロラ中継・Live!オーロラ
http://aulive.net/howto/step6-4.html
- 太陽風に含まれた(プラス・マイナスの電荷をもった)荷電粒子は、磁力線と同じ軌跡で運動する
- フレミングの左手の法則により、地球の明け方側にはプラスの電荷をもった粒子がたまる。夕方側には、マイナスの電荷をもった粒子がたまる
- 太陽風がさらに地球へ吹きつづけると、明け方側と夕方側のプラス・マイナスの差(電位差)が大きくなり、 発電の準備が完了する
- この夕方側と明け方側の電位差に加え,磁力線と地球を結ぶ回路が完成した段階で、電子は夕方側から磁力線に沿って、地球に向かう
- 電子が地球大気中の酸素原子や窒素分子と衝突し,励起させ,発光でオーロラが発生する
太陽風と磁気圏
http://polaris.nipr.ac.jp/~academy/ji...
- 太陽からは、電気を帯びた陽子や電子などの荷電粒子がたえず流れ出しており,この荷電粒子を「プラズマ」、その流れを「プラズマ流」また「太陽風」と呼ぶ
- 磁石としての地球磁場は北極から南極へと磁力線が走る対称な形ではなく、太陽風によって大きな変形を受けている
- 太陽風は約100万度の高温で、電子と陽子が分離してイオン化したプラズマ粒子のガス。地球付近に到達した状態では、太陽風は温度が約10万度、速度が秒速450万キロ