物理学で「場の理論」の分類で,「場の古典論 / 場の量子論」の違いをわかりやすくアスキーアートで説明。「場の解析」と解析力学の関係も
「場の理論」を分類した際の「古典」「量子」の違いを,
アスキーアート(AA)でわかりやすく説明。
(1)古典力学からスタートする場合
まず古典力学を出発点として,
- 量子化すれば量子力学になる。
- 場の概念を導入すれば,「場の古典論」になる。(電磁気,流体力学,相対論など)
- 両方組み合わせれば,「場の量子論」になる。
―― 多粒子化・場の導入 ―→ | | 古典力学 → 場の古典論 量 ↓ ↓ 子 ↓ ↓ 化 ↓ ↓ | 量子力学 → 場の量子論 ↓
なお,量子化するとは,
物理量を演算子で置き換えるということ。
その逆の「古典」とは,量子化しないということ。
また,場の概念を導入するというのは,
「無限自由度」にするということ。
「量子力学」と「場の量子論」の違いは,
無限自由度の場の概念を導入しているかどうか。
基本変数の取り方も変わってくる。
量子場の理論を低エネルギーで近似すると,
ふつうの量子力学になる。
EMANの物理学・素粒子論・場の理論
http://homepage2.nifty.com/eman/eleme...
- 電磁場を扱う電磁気学や、重力場を扱う一般相対性理論も場の理論の一種ではある。
- しかしそれらは「古典的な場の理論」あるいは「場の古典論」などと呼ばれている。
- ここで言う「古典的」というのは、 単に「量子論的ではない」というくらいの意味。
- 「量子場の理論」にはさらに二通りあって、 「相対論的な」量子場の理論と「非相対論的な」量子場の理論に分かれる。
EMANの物理学・量子力学・馬鹿な男の話
http://homepage2.nifty.com/eman/quant...
- 実は電磁気学や相対性理論のような、量子力学以前の場の理論を 「古典場の理論」と呼んでいるだけ
場の古典論 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A0%B...
- 1 非相対論的場の理論
- 1.1 ニュートン重力
- 1.2 電磁気学
- 1.3 流体力学
場 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A0%B...
- 「量子場の理論」にはさらに二通りあって、 「相対論的な」量子場の理論と「非相対論的な」量子場の理論に分かれる。
- 場の古典論は, 量子力学効果が現れない領域では依然として非常に有用であり、現在も研究が盛んな領域である。
- 物質の弾性、流体力学およびマクスウェル方程式の領域がそうである。
Amazon.co.jp: 場の古典論―電気力学,特殊および一般相対性理論 (ランダウ=リフシッツ理論物理学教程): エリ・ランダウ, イェ・エム・リフシッツ, 恒藤 敏彦: 本
http://www.amazon.co.jp/%E5%A0%B4%E3%...
- この本(場の古典論)は、その前書きにも書いてあるように、電磁気学が特殊相対性理論を包含しているため、特殊相対論から始まる。
場の量子論 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A0%B...
- 量子論の中でも、基本変数の取り方によって分類があり
- 基本変数として「粒子や剛体の古典力学と同じもの(たとえば位置と運動量)」に選び、足りないもの(スピンなど)は適宜補った量子論を「量子力学」と呼ぶ
- 基本変数として「場とその時間微分または共役運動量」に選んだ量子論を「場の量子論」と呼ぶ。
- 量子力学は、場の量子論を低エネルギー状態に限った時の近似形として得られる。
注意点として,
特殊&一般相対論は「現代」物理学だが,
量子化していない場合は場の古典論に分類される。
J Simplicity 特殊相対論的量子力学
http://www.jsimplicity.com/ja_Report_...
- 古典論とは量子化していない物理を意味します.したがって,相対性理論は古典論になります.
- しかし,古典物理学という用語を使用する場合は,19世紀までの物理学を指し,相対性理論は現代物理学の範疇に属するものとします.
(2)解析力学からスタートする場合
ここで,「解析力学」と「場の解析」の関係を考えてみよう。
解析力学は単なるツール・記述法であり,
基本的には力学と同じなのだが。
解析力学を出発点とした場合,
- 場の概念を導入すれば,「場の解析」になる。
- 場の解析を量子化すれば,量子場の理論になる。
―― 多粒子化・場の導入 ―→ | | 解析力学 → 場の解析 量 ↓ ↓ 子 ↓ ↓ 化 ↓ ↓ | 量子力学 → 場の量子論 ↓
「場の理論を学ぶための解析力学」の存在は,見落としやすい。
たいてい,場の理論の教科書の最初のほうでサラッと学ぶ。
ひとつの独立した分野になりづらいものの,それを専門に扱った参考書はいちおう存在する。
Amazon.co.jp: 量子場を学ぶための場の解析力学入門 増補第2版 (KS物理専門書): 高橋 康, 柏 太郎: 本
http://www.amazon.co.jp/%E9%87%8F%E5%...
- 私は最初、場の理論をやるのに 解析力学→量子力学→場の理論 と進むものだと思っていました。
- しかし実際は
- 解析力学→量子力学
- 場の解析→場の理論 とそれぞれ独立な関係にあります。
- 場の解析は, 解析力学を場で記述したもんです。量子力学の前に解析力学があったように、場の理論の前には必ず 場の解析が必要(特に場の方程式を導出するLagrangianは重要)です。
場の量子論とそれに関連した話題の本
http://physicsic.web.fc2.com/qft.html
- 高橋康、『量子場を学ぶための場の解析力学入門 増補第2版』、講談社.
- 場の解析力学の本。確かに場の量子論で正準量子化するときに、場の解析力学は必要になる
- だけど、 基本的に普通の解析力学を無限自由度に拡張すればいいだけだし、そもそも場の量子論の教科書に書かれているから、この本でわざわざ学ぶ必要ないよね。
量子場を学ぶための場の解析力学入門: 高橋康著 - とね日記
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/e5eb...
- 第2章:場の量、場の量の変換性
場の解析力学(1) T_NAKAの阿房ブログ/ウェブリブログ
http://teenaka.at.webry.info/201010/a...
- 「場」になると、無限自由度なので、無限個の Euler-Lagrange の方程式になることになってしまいます。
- そこで、Lagrangian ではなく、Lagrangian 密度を使うことにして、一つの方程式にしているのでしょう。