ひも理論の勉強ノート (1)ひも理論の概要と,量子論の成立
問題:
ひも理論の基礎について:
- 物理学で,超ひも理論が必要になるのはなぜか。
- 超ひも理論では,ひもはどのような性質を持っているか。
量子力学の成立について:
- 光が,波だけでなく粒子の性質も持っている,と発見されたいきさつは?
- 電子が,粒子だけでなく波の性質も持っている,と発見されたいきさつは?
- ドブロイの物質波を発展させて生まれた関数は?
量子論での不確定性について:
- 物理量が収束するタイミングは?
- 不確定性原理とは,何を述べるものか?
- エネルギーの不確定性から,どのような効果が生じるか?
- 位置の不確定性から,どのような結論が得られるか?
量子相関について:
- 量子相関の関係にある2つの物理量は,いっぽうの観測のタイミングで,どういう現象を起こすか?
- 量子テレポーテーションの方法は?
以下はメモ。
「超ひも理論」の「ひも」について:
・ひもは1次元で,長さは短く,輪ゴムのように伸び縮みする。
・わっかのひもの振動パターンによって,素粒子の違いが生まれる。
・3次元空間に,見えない追加の6次元が折りたたまれ,時間を追加して合計10次元
ひも理論の前に,まず量子力学の成立から。
光の性質として,波だけでなく粒子,と発見:
・アインシュタインの光電効果:金属に光を当てて飛び出る電子が,波の性質を持っていなかった。
・具体的には,照射する光の振幅を強くするだけでは電子が飛ばず,振動数を強くすれば電子が飛び出た。
・よって,光は波ではなく,振動数に依存したエネルギーを持つ粒子(光量子),とした。
電子の性質として,粒子だけでなく波,と発見:
・原子核モデルが古典論では矛盾。電子が原子核を回転する仕組みは古典論では説明できず
・ボーアの量子条件を導入すれば解決。この条件を満たすのがド・ブロイの物質波
・電子線の干渉縞の実験で,物質の波動性が確認された。
・ドブロイ波を発展させて,電子の波動関数を方程式で表したのがシュレーディンガー
・波動関数に「電子の存在確率」という解釈を与えたのがボルン
観測と不確定性について
・ミクロな粒子に,光つまり光子をあてて観測しようとすると,運動の状態が変わってしまう。>位置と運動状態を同時に知ることはできない。不確定性原理。
・確率的な存在である波動が,粒子に変わるのは,観測時。これを波動関数の収束という。
・位置やエネルギーの不確定性より,位置が確率的な量だとすると,さまざまな位置変化を起こすような高エネルギー状態も確率的に許される。
・例えば1ナノメートルの絶縁体を電子がすり抜けるのは,その移動をするだけのエネルギーが発生するため>トンネル効果
・また,絶対零度でも動きがある事になる>ゼロ点振動
量子相関について
・観測時に物理量が確定する,という性質を利用すると,2つの量に相関がある場合,両者の量の決定は光速を超え得る。>量子相関
・量子相関の関係にあるものの片方に情報を載せてから観測すると,もう片方の物理量にその物理量が載るので,瞬時に情報を移動できる>量子テレポーテーション